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  • 年金制度の比較について

    「年金を掛けてももらえない」「保険料が高い」ということを頻繁に耳にします。その通りだと思います。
    しかし、「何があってももらえないのか」「何と比べて高いのか」となれば、答えは違ってきます。
    そのため、私の独断と偏見から、年金の制度にどのようなメリットがあるのか、またはデメリットがあるのかを検討したいと思います。

    こちらでの計算は、平成30年度における制度と保険料・受給額を参考に、おおよそで計算しています。

1. 年金は何年受給したら、掛けた保険料より多くなるか?

国民年金 厚生年金 報酬88千円 厚生年金 報酬620千円
10年 3年10ヶ月 11年
保険料と受給額のバランスは悪くないというより、良い方だと思います。特に、厚生年金の報酬が低い場合は、圧倒的に有利です。さらに、保険料は全額所得控除の対象となるので、実際は、左記の表より有利になります。ただ、厚生年金は事業主が残り半分を納付していることを忘れてはいけません。そして、年金制度全般に言えることですが、早く亡くなった場合、掛け捨てになる可能性があるということには注意が必要となります。

2. 国民年金と厚生年金の比較について(従業員の場合)

国民年金と厚生年金の比較については、年齢・給料・家族関係などによって大きく異なります。そして、年金については、人の価値観によって大きく意見が異なるので、参考としてご覧いただければ幸いです。
国民年金 厚生年金
配偶者なし
厚生年金
扶養配偶者あり
厚生年金
配偶者あり(扶養なし)
20代から30代 D 低い報酬 B 低い報酬 A 低い報酬 C
40代から50代 C 高い報酬 C又はD 高い報酬 B 高い報酬 C
60代 任意 60代 C(場合によっては、D) 60代 C(場合によっては、D) 60代 C(場合によっては、D)
評価:D→C→B→A 右に行くほど、有利だと考えています。
  • (1)国民年金(20代から30代)

    評価Dとしましたが、他と比べたらという意味で、平均寿命が80歳を超えていることから考えると、有利な制度だと考えます。また、収入が少なくなったときに免除制度があるのは特徴の一つと言えます。しかし、なぜ50代で保険料をかけた人と同じ額なのかは納得しかねます。運用益や利息などが考慮されていないことが、評価Dの理由となります。

  • (2)国民年金(40代から50代)

    この頃になると、ある程度、将来のことについて、年金をもらう権利の確保や年金額の増加を考えていくことになります。また、今まであまり年金を掛けていない場合は、障害年金の保障のためにもなります。未納のままにしている人もいますが、消費税の増税が年金に回されていることを考えると、すでに掛け捨てにしている気がします。

  • (3)厚生年金(配偶者なし)

    従業員の場合、事業主が保険料を半分支払ってくれているので、とても有利になっています。特に、報酬が低い場合は、年金をもらい始めて、4~5年で回収できるので、とても有利ですが、報酬が高くなるにつれて、それが長くなります。保険料を2倍支払っても、受給額は2倍にはなりません。なお、年齢による差については、国民年金と同じため、若くて報酬が高い人は評価Dとしました。

  • (4)厚生年金(扶養配偶者あり)

    配偶者の保険料負担は、厚生年金全体で補うので、一切かかりません。報酬が低い場合、2年以内で、保険料の回収ができる場合もあります。この制度は、民間では作れないだろうと思います。報酬が高くても、かなりお得な制度です。扶養に入るために、パートの時間を調整して、給料を抑える人も多いと思います。また、約40万円の加給年金がもらえる場合もあるので、さらに年金が増加します。

  • (5)厚生年金(配偶者ありだが、扶養なし)

    共働きで、二人とも正社員となる場合です。配偶者がない場合と同じように考えてもらえばいいと思います。ただし、遺族年金をもらい始めると、掛け捨てになる可能性があり、遺族年金をもらいながら、厚生年金を掛ける場合、すでに掛け捨てが決定している場合もあります。また、二人とも厚生年金の期間が長い場合、加給年金はもらえません。

  • (6)厚生年金(60歳以降)

    厚生年金は70歳まで加入義務があります。ただし、厚生年金の加入期間が40年を越えると極端に年金の増加額は下がります。また、厚生年金を44年以上掛けると、長期特例により、65歳前に年金をもらうことができますが、厚生年金を掛けているともらえません。70歳まで強制加入になりますが、加入期間や受給額について、一度ご相談した方がいいと思います。

3. 国民年金と厚生年金の比較について(事業主の場合)

法人の場合、事業主は原則として、厚生年金に加入することになり、実質的には全額負担ということになります。しかし、保険料は二倍支払っても、受給額は二倍にはなりません。さらに、健康保険料、所得税控除や銀行の融資なども考慮して、報酬を決定することが必要となります。そのため、一度、ご相談していただいた方がいいと思います。

個人の場合、配偶者が扶養になっている場合や報酬が低い場合を除いて、厚生年金より、国民年金+国民年金基金を書ける方がリスクが低いと考えます。その理由として、基金は亡くなった時にも一時金の支給があるからです。ただし、この場合も、健康保険や国民健康保険を考慮することによっても異なります。

ご依頼いただける内容

  • 社会保険労務士業務

    ・年金関連
    ・社会保険関連
    ・助成金関連
    ・就業規則関連
    ・労働問題の予防/解決
    ・カウンセリング
    ・コンサルティング  など

  • 司法書士業務

    ・相続/遺言
    ・成年後見
    ・不動産登記
    ・会社設立
    ・生前贈与
    ・商業登記
    ・農地転用  など

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